脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症とは

背骨は椎骨が縦に連なったものであり、その空洞部分に脊髄が収まる脊柱管を形成します。この脊柱間が何らかの原因によって狭められ、中を通る脊髄や馬尾神経、また脊髄から枝分かれする脊髄神経や神経根が圧迫される病態を脊柱管狭窄症といいます。狭窄が頚部と腰部に渡って起こる広範脊柱管狭窄症もありますが、ここでは症例の多い腰部脊柱管狭窄症について述べてみます。脊柱管とは、脊髄が通るトンネルのようなもので、背骨、椎間板、関節、靭帯などに囲まれています。背骨や椎間板が変形したり、靭帯が厚くなると、この脊柱管が狭くなるといわれています。すると、神経根(脊髄からつながる神経の根っこ)や馬尾(神経の束)といわれる部分が圧迫され、中を通る神経が刺激を受けて痺れや痛みが生じるとされています。腰部脊柱管狭窄症の原因は、骨の老化によって、神経を通す脊柱管が狭くなり、神経を圧迫することで起こる病気です。「腰痛」のほかに、「歩いたり立ったりしているときに、痛みやしびれが生じる」という特徴的な症状が現れる病気です。脊椎骨の老化が原因で、お年寄りに多く見られます。特に、若いころから腰に負担がかかる職業に携わってきた人や、逆にあまり筋肉を使わずにいたために筋力が低下している人が、なりやすい傾向があります。

脊柱管狭窄症の症状

脊柱管狭窄症は狭窄の部位により中心型と外側型・混合型がありますが、脊柱管狭窄症の症状の特徴として、しばらく歩くと、だんだん下肢が痺れたり重くなったり、痛みが出たりして、歩くことが困難になります。しかし、腰掛けたり屈めたりして「しばらく休むとまた歩けるようになる」という、「間欠跛行(かんけつはこう)」という状態が、脊柱管狭窄症の症状の特徴です。持続して歩ける時間は、1~2分の場合から10分程度など、脊柱管狭窄症のレベルによって、違ってきます。前かがみになると楽また、腰を反らせる状態、立って腰がのびた状態で痛みが強くなる為、手押し車/乳母車/カートや自転車に乗ったりと、「前かがみになると楽になる」という特徴があります。前かがみになると楽になるのは、体がいくらか前かがみになることによって神経への圧迫が緩むからです。

脊柱管狭窄症では、腰痛はそれほどひどくはなく、安静時にはほとんど感じない場合も多いようですが、背筋をまっすぐにして立つと下肢に麻痺や痛みが出て、歩きづらくなるといわれており、長い距離を歩くことが難しくなります。連続して歩くことが困難になるため、歩行と休憩を交互に繰り返す「間歇性跛行」(かんけつせいはこう)が特徴とされています。前屈みになったり、座ったりすると痛みや痺れは軽くなりますが、筋力低下に繋がってしまうこともあります。さらに病状が進行すると、肛門周辺に火照りが生じたり、尿の出が悪い・尿が漏れる、などの排尿障害を引き起こすこともあるといわれています。他の症状は、中心型では両脚の痛みやしびれ、足裏や会陰部の異常知覚、場合によって排尿、排便障害が起こり、外側型では左右どちらかの腰痛、臀部・脚への放散痛やしびれ・脱力感が起こります。

脊柱管狭窄症のタイプ

神経根」が、圧迫されるタイプ

左右の両方の神経根が圧迫されている例ですが、左右どちらかの神経根が圧迫された時は、圧迫されたほうに、腰から足にかけての痺れ・痛みの症状が出ます。

馬尾(ばび)」が、圧迫されるタイプ

馬尾(神経の束)が、圧迫されると、「足の痺れ」「麻痺」「脱力感」、便尿が出ない・我慢できないなどの「排泄障害」が起こったり、ムズムズした感じやチリチリした感じを覚えたりする事もあります。先の「神経根を圧迫されるタイプ」より、症状が重いタイプです。 又、すべり症に関連する場合も多々あります。

混合タイプ

「神経根」「馬尾」、両者の症状が現れます。

腰部脊柱管狭窄症がまねく日常生活の障害

腰部脊柱管狭窄症になると、体を後ろにそらす動作をすると痛んだり、痛みが増したりするようになります。日常生活では、高いところにあるものをとろうと背をそらすと痛くてできない、まっすぐに立っていられない、歩くときの姿勢が前かがみになる、長時間歩けない、ひどい症状は500メートルを歩くのがつらくなるなどの不自由が起こります。 腰部脊柱管狭窄症が進むと、間欠跛行という歩行障害が起こることがあります。しばらく歩いていると足のしびれや痛みが増して歩けなくなり、その場に座ったり、しゃがんだりしているうちに痛みがおさまって、また歩けるようになる症状です。 痛みがおさまるのは、座ったりしゃがんだりすると体が前かがみになり、脊柱管の狭まりがゆるくなるためです。神経への圧迫が減るので神経の血流がよくなり、痛みが楽になるのです。

脊柱管狭窄症の鍼灸治療について

鍼灸治療の中に脊柱管狭窄症の方が多いです。痛み緩和とその解消は鍼灸適応症の中で最も得意です。手術する前や適当な治療法がない場合は鍼灸を試してみる価値があると思います。鍼の特有の鎮痛作用を生かして、脊柱管狭窄症による痛みの通路に鍼を刺して、その刺激が脳や脊髄といった中枢経路を経て、エンドルフィン、エンケファリン等の鎮痛物質を分泌させ、痛みを柔らげることにより脊柱管狭窄症の症状が改善さたり、完治したりすることができます。鍼灸は脊柱管狭窄症の治療はすぐれた治療法ですが、効果が100%ではありません。特に重症の坐骨神経痛の方には、病院の専門医の治療と針灸治療を併用して頂くことにより、長期間にわたり痛止め薬を飲み続けているかたやブロック注射しているかたもより相乗効果が認められます。